やあ、紫煙亭主人だ。 ちと面白い動画を見つけてな、今回はその内容を肴に一席設けようと思う。テーマは、そう、かの「夢と魔法の王国」こと、東京ディズニーランドの近頃の噂についてだ。どうやら、きな臭い話から景気の良い話まで、色々と聞こえてくるようでな。
高嶺の花か、選ばれし者の園か?~変わりゆく夢の国の姿~
動画によれば、まず耳に痛いのが、その入園料の高騰だ。かつては気軽に足を運べた夢の国も、今や時期によっては諭吉先生一人では心許ないお値段になることもあるという。加えて、かつての「ファストパス」という名の無料の魔法は消え去り、「プレミアムアクセス」なる有料のショートカットが登場。これでは、懐に余裕のある者や、海外からの富裕な旅人ばかりが優遇される「選ばれし者の園」になりかねぬと、嘆きの声も聞こえるようだ。
さらに、アトラクションの予約からお土産の購入に至るまで、スマートフォンがなければ立ち行かぬという現状。デジタルに疎い者には、夢の国の門は狭きものとなりつつあるのかもしれん。手軽さが薄れ、何かと段取りが必要になるのは、ちと興ざめではあるまいか。
キャストの笑顔に陰り?~サービスの質への疑問符~
そして、気がかりなのは、夢の国の住人たるキャストの質の低下を指摘する声だ。以前のような細やかな心配りや、ゲストを楽しませようという気概が薄れていると感じる者が増えているという。ゴミ箱から溢れる現実や、積極的な声かけの減少…効率化の波が、おもてなしの心まで洗い流してしまわぬことを願うばかりだ。
ライバルUSJとの比較、そして「ポリコレ」という名の呪縛
目を西に転じれば、好敵手USJが新しい人気キャラクターを続々と取り込み、活気に満ちているという。対してディズニーは、古き良きキャラクターに頼るあまり、新しい世代の心を掴み損ねているのではないか、という手厳しい指摘もなされている。
加えて、近年のディズニー映画を覆う**「ポリティカル・コレクトネス」の分厚い雲**。誰も傷つけぬ物語は結構だが、それが行き過ぎて毒にも薬にもならぬ作品ばかりになっては、熱狂的なファンは生まれにくかろう。物語の力が弱まれば、キャラクターの輝きもまた、色褪せてしまうのではないか。
絶好調の経営と、次なる一手「クルーズ船」
しかし、だ。これだけ悪評が囁かれながらも、運営会社オリエンタルランドの経営は絶好調、過去最高の利益を叩き出しているというのだから、世の中は面白い。客単価は上昇し、ホテルも盛況。文句を言いつつも、多くの人々が魔法の国に引き寄せられ、財布の紐を緩めているのが現実のようだ。
そして、彼らが次に打つ手は、なんと**「ディズニークルーズ」なる豪華客船事業**。陸の次は海か。その壮大な計画には舌を巻くが、これもまた、一部の富裕層をターゲットにしたものになるのだろうな、という予感は否めない。
さて、我々は何を学ぶべきか
この動画は、最後に中小企業が学ぶべき点として、ブランド力とファンの重要性、そして客単価を上げる戦略、何よりもサービス品質の維持を説いている。大企業の戦略とて、商売の本質は変わらぬということだろう。
夢の国は、時代の変化という大きな波の中で、その舵取りに苦心しているように見える。だが、同時にしたたかな商魂で、新たな航路を切り開こうともしている。 果たして、この先ディズニーランドは、万人のための夢の国であり続けられるのか、それとも一部の限られた人々のための高級リゾートへと姿を変えていくのか。
紫煙亭の窓から、しばらくその行方を見守るとしようか。