- 試合日: 2025年5月14日
- 対戦相手: 東京ヤクルトスワローズ
- 試合結果: 中日 2-0 ヤクルト
- 開催球場: バンテリンドームナゴヤ
- 観戦者数: 34,654人
- 勝利投手: 涌井秀章（2勝目、6回4安打無失点）
- 敗戦投手: アビラ（1勝2敗、6回1失点）
- セーブ投手: 松山晋也（1回無失点、今季7セーブ目）
- 本塁打: なし
- 試合時間: 2時間38分
- 対戦回数: 8回戦
- 試合概要:
中日は初回、上林誠知の適時三塁打で先制。8回には代打・ブライト健太が貴重な追加点を挙げ、投げては先発・涌井秀章が6回無失点の好投。リリーフ陣も無失点リレーで、ヤクルト打線を完封した。 - 感想:
先発涌井の粘り強い投球と、上林・ブライトの勝負強い一打が光る試合。投打が噛み合った完封勝利だった。
導入 ― 戦国の知恵、現代の采配
5月14日、バンテリンドームナゴヤに集った34,654人の観客が見守る中、中日ドラゴンズは東京ヤクルトスワローズを迎え撃ち、2-0の完封勝利を収めました。先発・涌井の安定感、チャンスを逃さない上林とブライトの一打、そしてリリーフ陣の鉄壁リレー――。この試合の流れを見ていると、ふと戦国時代の「長篠の戦い」が頭をよぎります。今回は、歴史的な合戦と現代野球の采配を重ね合わせ、ドラゴンズの勝利の本質に迫ります。
【1】初回の先制劇と「長篠の三段撃ち」― 準備と突破の知恵
試合は1回裏、上林誠知の適時三塁打で動きました。わずかな隙を突き、一気に先制点を奪う――この一撃は、まるで戦国時代の織田信長が「長篠の戦い」で用いた鉄砲三段撃ちのような鮮やかさでした。
長篠の戦い（1575年）は、織田・徳川連合軍が武田騎馬隊に対し、鉄砲隊の三段撃ちという新戦術で圧倒した歴史的合戦です。信長は、周到な準備と新しい技術を駆使し、敵の突進を防ぎつつ一気に主導権を握りました。
「新しい武器（＝戦術）を活かし、初動で流れを引き寄せる」
これは野球でも同じ。上林の一打は、まさに“現代の三段撃ち”のごとく、相手の隙を突いた戦略的な一撃でした。
【2】8回の代打・ブライト健太 ―「義経の奇襲」的サプライズ
8回裏、追加点が欲しい場面で登場したのは代打・ブライト健太。彼は0-1からライトへ鮮やかな三塁打を放ち、貴重な追加点をもたらしました。
この「ここぞ」の一打は、源義経が壇ノ浦の戦いで見せた奇襲作戦を彷彿とさせます。義経は常識を覆す大胆な戦術で、劣勢を覆したことで知られています。ブライトの一打も、相手の意表を突く“サプライズ”であり、采配の妙が光りました。
「常識にとらわれず、流れを変える一手」
歴史も野球も、勝負どころでは“奇襲”や“サプライズ”が流れを決めるのです。
【3】涌井からリリーフ陣への継投 ―「江戸の町火消し」的チームワーク
先発・涌井は6回を無失点で抑え、7回以降はマルテ、齋藤、松山とリリーフ陣が無失点リレーで完封。まるで江戸時代の町火消しが連携して大火を食い止めるような、見事なチームワークでした。
江戸の町火消しは、火事が起きると一丸となって消火活動にあたりました。個々の力だけでなく、連携と役割分担こそが被害を最小限に抑える鍵となったのです。
「一人ひとりの役割が噛み合い、危機を乗り越える」
ドラゴンズの継投リレーは、江戸の町火消しのように“守りの美学”を体現していました。
【4】完封勝利の教訓 ―「歴史に学ぶ、勝利の条件」
今回の完封勝利から見えるのは、「新しい戦術への挑戦」「意表を突く一手」「組織力」の3つ。長篠の戦いでの鉄砲三段撃ち、壇ノ浦の奇襲、江戸の町火消し――いずれも日本史に刻まれた“勝利の条件”です。
野球も歴史も、時代ごとに求められる戦い方は変わります。しかし、「状況を見極め、最善手を打つ」「チームで力を合わせる」ことの重要性は、いつの時代も変わりません。
結び ― 歴史は繰り返す。ドラゴンズの未来に期待！
歴史の大舞台で輝いた知恵や勇気は、現代のグラウンドにも息づいています。ドラゴンズの選手たちが見せた一打、采配、守りの連携――それはまさに、歴史に学び、未来へとつなぐ“現代の戦い”です。
次なる試合でも、ドラゴンズが新たな歴史を刻む瞬間を、ファンとして熱く見守りたいと思います。
【ドラゴンズ歴史絵巻】は、野球と歴史を愛する全ての人に、毎回異なる時代やテーマでお届けします。次回もお楽しみに！
